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パナソニック、白物家電の国内生産5割に拡大 円安に対応

ニュースカテゴリ:企業の電機

パナソニック、白物家電の国内生産5割に拡大 円安に対応

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パナソニック本社  パナソニックは今秋にも、エアコンや洗濯機など家庭向け白物家電の国内生産比率を現在の3割から5割まで引き上げる方針を固めた。

 円安で海外生産のコストが上昇しているため。同社の国内生産が5割に達するのは、十数年ぶりとみられる。主な海外生産拠点である中国での生産を縮小し、日本にある既存の拠点で設備を拡充するなどして対応する。

 白物家電が主力の「アプライアンス社」の高見和徳社長が3日、フジサンケイビジネスアイなどの取材に対し明らかにした。

 同社は現在、冷蔵庫、エアコン、洗濯機の3製品を主に中国内3拠点で生産し、東南アジアや日本などに輸出している。しかし、円安でメリットが薄れてきた。同社は、今年秋には円相場が1ドル=105~107円まで下落すると想定。

 「1円円安になるだけで、10億~11億円営業利益が下がるマイナス効果」(高見社長)があることから、現状の海外生産態勢を見直すことを決めた。

 同社は今後、中国3拠点の生産を縮小する。縮小分を補うために、滋賀県草津市の冷蔵庫・エアコン工場と静岡県袋井市の洗濯機工場で、部品製造の装置を新設したり、従業員の労働時間を増加させるなどして生産を拡大する。

 業務用空調機器などを製造していた群馬県大泉町の拠点でも、家庭用エアコンの生産開始を検討し、3製品の国内生産を最大で計280万台増やす考えだ。高見社長はまた、2015年までに欧州で白物家電の生産工場を設置するという、これまでの方針を修正。事業買収などを優先するため、大型投資は先送りする方針を示した。

 一方、高見社長は、国内で、スマートフォン(高機能携帯電話)で操作できるよう通信機能を備えた「スマート家電」の販売を強化する戦略も強調した。スマート家電の商品数を昨年度と比較して倍にし、これまで対応していなかった米アップル社のスマホ「iPhone(アイフォーン)」で操作できるスマート家電の販売を検討する。

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