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ソニー黒字は例外…本業の強さ戻らず 電機3社が最終損益悪化

ニュースカテゴリ:企業の経営

ソニー黒字は例外…本業の強さ戻らず 電機3社が最終損益悪化

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 シャープを除く電機大手7社の2013年3月期の連結決算が、10日出そろった。パナソニックがデジタル家電の不振に伴うリストラ関連費用が膨らみ、7542億円の最終赤字(前期は7721億円の赤字)を計上するなど、3社で最終損益が悪化した。

 リストラ途上で売上高を減らす企業も多く、円高是正のメリットを十分に生かし切れなかった。14年3月期は合理化などでパナソニックが3期ぶりの最終黒字を見込むなど、円安効果も加わって6社で最終損益が改善する。

 各社の業績の重荷になったのは、テレビを中心とするデジタル家電の不振だ。国内市場の縮小や価格下落、海外での競争激化に対応しきれなかった。

 パナソニックのテレビ事業は885億円の赤字となり、収益の足を引っ張った。東芝も「想定以上に市場が縮小した」(久保誠専務)ため、テレビ事業は500億円程度の赤字だ。

 ソニーは株高で堅調な金融部門が業績を下支えし、5年ぶりに最終黒字に転換したが、テレビなど本業のエレクトロニクス部門は1344億円の営業赤字だ。

 不採算事業の整理など、構造改革にかかる費用も各社の利益を圧迫した。

 日立製作所は持ち分法子会社で半導体大手ルネサスエレクトロニクスのリストラ関連費用が膨らんだことなどが響き、最終減益だった。富士通も低迷する半導体事業で構造改革費用を計上し、最終赤字に転落した。

 14年3月期は、前期に計上した特許売却益などの影響がなくなるNECを除き、6社が最終増益または最終黒字化を見込む。だが、収益の改善は、円安やリストラなどに伴う固定費の削減が中心だ。

 パナソニックの14年3月期は売上高が約1030億円減少するものの、「固定費の圧縮が1191億円利益を押し上げる」(河井英明常務)。このため、最終損益は500億円の黒字を見込む。

 各社の今期の想定レートは1ドル=85~95円で、1ドル=100円台の為替相場が続けば、業績が上振れる可能性もある。

 ただ、BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは「ソニーが象徴するように本業が強いわけではない。新たな収益源を見つけ、売上高の上昇を伴うような収益の改善が健全な姿だ」と指摘している。

 ≪電機大手7社の2013年3月期連結決算≫

           売上高         営業利益

 日立製作所  9兆 410(▲6.5) 4220( 2.4 )

 パナソニック 7兆3030(▲6.9) 1609( 3.7倍)

 ソニー    6兆8008( 4.7) 2301(  -  )

 東芝     5兆8002(▲4.9) 1943(▲ 4.1)

 富士通    4兆3817(▲1.9)  952(▲ 9.5)

 三菱電機   3兆5671(▲2.0) 1520(▲32.5)

 NEC    3兆 716( 1.1) 1146( 55.5)

 ※単位:億円。カッコ内は前期比増減率%。▲はマイナス。-は比較できず

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