四国新幹線を望む声は海を隔てた九州からも上がっている。大分市は、四国と九州の間の豊後水道にトンネルや橋を建設し新幹線で結ぶ「豊予海峡ルート」の実現を目指している。四国新幹線の整備はその前提条件。同市の佐藤樹一郎市長は昨年12月、高松市に大西秀人市長を訪問し、同ルート建設と四国新幹線の整備計画への格上げを含めて国への要望で連携していくことを確認した。
しかし、建設が決まっている九州新幹線の長崎ルートや北陸新幹線の敦賀以西ルートが優先されるため、現状のままでは四国新幹線の実現には膨大な時間が必要となる。それでも関係者は「四国が一体となり、建設機運を高めればきっと国を動かすことができる」と口をそろえる。
実際に地元の声を受けてか、国土交通省の四国圏広域地方計画に「鉄道の抜本的高速化が検討課題となっている」と記載されるなど、国の態度にも変化の兆しが表れてきた。
昭和39年に初めて開通した東海道新幹線(東京-新大阪間)は計画当初、皮肉も込めて「夢の超特急」と呼ばれた。それから半世紀以上たった今、超特急の夢は四国にとって、やっと目指すべき目標になろうとしている。