平成27年に惜しまれながら引退したJR西日本の寝台列車「トワイライトエクスプレス」。涙のラストランから約2年後の2月、後継の「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の車両や客室が、初めて公開された。6月17日から運行が始まる瑞風。最高で1人125万円という豪華寝台列車の内部はどうなっているのか。“走るホテル”の全貌を報告する。
ファン感涙の仕掛け
2月23日、大阪市淀川区のJR西の宮原操車場に100人を超える報道陣が集まった。目当ては初公開される「トワイライトエクスプレス瑞風」の車両だ。
小出しにされるイメージ映像でいやが応にも期待は高まり、やっと完成したかと思えば、公開された車両はカバーで覆われていたりと、散々じらされた揚げ句の実物公開に、現場は朝から異様な熱気に包まれていた。
午前11時過ぎ、来島達夫社長らが手元のボタンを押すと、車庫にかけられた幕が開き、警笛の一種、ミュージックホーンの音とともに、奥から鈍い深緑色に輝く車両がゆっくりと姿を現した。このミュージックホーンは旧トワイライトエクスプレスで使用されていたものと同じ。録音した音源を瑞風用に使うというファン感涙の工夫も凝らされている。
改めて外観を見ると、シンボルカラーである深緑色に、金色のラインやエンブレムがあしらわれた高級感あふれるカラーリング。先頭車両は前面に展望デッキが設けられた特徴的なデザインだが、旧トワイライトエクスプレスと同じ丸形のヘッドライトを採用しており、懐かしさを感じる演出が施されていた。