植物工場は季節や天候に左右されず、農産物の形や重さなど品質や規格を統一化でき、糖度や栄養成分を調整した栽培が可能だ。だが採算性が課題で、空調や電気代がかさみ露地栽培の2倍以上のコストがかかるため、工場の約6割が赤字と試算される。固定資産税の算出基準となる評価額(2015年度の全国平均)は一般の田畑が1平方メートル当たり30~100円なのに対し、工業地は約1万5000~4万円と大きな差がある。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効に備え、耕作放棄地の拡大や担い手農家不足などの課題を抱える国内農業は競争力の強化が急務だ。植物工場は、そうした課題解決に貢献するとも期待される。