政府がコンクリートの土地に屋内で農産物を生産する植物工場を設置した場合、その土地を農地として認める農地法の改正を検討していることが29日、分かった。今年度内に国家戦略特区内での改正法の導入実証に向けた協議を進め、具体的な内容を詰める。コンクリートの土地を固定資産税が安い農地に認定することで生産コストを引き下げ、企業の農業参入や収益向上を促す狙いだ。
現在の農地法では、農地は「耕作の目的に供される土地」と定義されており、作物の育成を助けるための耕耘(こううん)や整地、施肥、除草などが行われていることが条件となっている。そのため、コンクリート舗装した状態の土地は耕作できない土地と見なされ、農地には認定されない。
ただ、ITや室内栽培などの技術発展で太陽光や土を使わずにコンクリート上でも野菜の生産が可能になり、そうした土地も農地として認める特例措置の必要性が政府内外で指摘されていた。既に大阪府岸和田市が、車いすの障害者らが農作業をしやすいよう、コンクリートを敷いた土地も農地として認める特区の設立を政府側に提案。今後も協議を進める予定だ。