毎年10月になると韓国メディアは、自然科学分野のノーベル賞受賞者ゼロをめぐる原因分析、政府などに対する責任追及に余念がない。しかし今年はそれが少し早まり、さらに激烈になるかもしれない。というのも、英科学誌ネイチャーが今月、韓国でこの分野の受賞者が出ない背景を特集記事で分析、研究開発について国内総生産(GDP)比で世界最大級の投資を行う政府に「(ノーベル賞を目指すならば)カネより大事なものがある」と批判したからだ。“お墨付き”をもらった各紙はいっせいに論評した。対日本『0-21』は容易に覆りそうもない。
国際学術誌への発表論文数はスペインと同レベル
「韓国はノーベル賞の受賞を目指し、ますます多額のカネをつぎ込んでいる。問題は、野望はカネで実現するものではないということだ」
朝鮮日報や東亜日報、韓国経済新聞(いずれも電子版)などの韓国紙が、ネイチャー誌が6月1日(現地時間)に「韓国はなぜ研究開発(R&D)における最大の投資家なのか」と題する特集記事で、韓国科学界の「ノーベル賞コンプレックス」と現実的な限界を分析したと、いっせいに報じた。中でも朝鮮日報は、同誌の特集を踏まえ、自社の記事冒頭で「野望はカネで実現するものではない」と打ったのである。
ネイチャー誌はまず、韓国のR&D投資の増加ペースに注目。R&D投資の対GDP比は1999年の2・07%から2014年には4・29%に拡大し、イスラエルなどを抜き世界でトップになったという。米国は3%を切っており、中国や欧州連合(EU)は2%水準でしかない。