詳細は「軍事秘密」としながらも、「レーダーで探知した情報を自ら分析する。海上衝突予防条約の規則に基づき判断し、航行するよう設計されている」。
開発に携わった国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)のアラティ・ブラバカー局長は、搭載されたAI技術についてこう説明した。しかも「潜水艦を探知、追尾し、さらに機雷を探知して掃海する機能には学習機能(機械学習)を含む」と胸を張った。経験を積むほど“賢くなる”というわけだ。すでに海軍第3艦隊の拠点、サンディエゴ海軍基地(カリフォルニア州)で、この春から実用試験が始まっている。
□ □ □
DARPAが推進しているのは単なる無人技術ではない。「人の手を借りず自ら判断できる自律型の技術だ」。DARPA戦術技術室のスコット・リトルフィールド氏はこう強調する。
1958年の発足以来、DARPAは米軍に技術革新をもたらしてきた。インターネットやGPS(全地球測位システム)、ステルス技術、無人機など。革新的な軍事技術を次々と開発し、その多くは一般生活にも溶け込んでいる。
AIを搭載した兵器の開発は「火薬、核兵器に続く第三の革命」と呼ばれている。6年前、DARPAは艦船運用の効率を上げ、兵員の犠牲を減らすことを主目的に、今回のプロジェクトを立ち上げた。ただ、国防総省の野心はそれだけにとどまらない。