2020年東京五輪で増加が見込まれる訪日外国人観光客の受け皿として、政府がルール作りを進めている民泊。課題などについてQ&Aでまとめた。
--政府が民泊を推進するのはなぜか
「15年の訪日外国人観光客数は前年を約600万人上回り、首都圏や京阪神エリアはホテル不足が深刻だ。規制緩和によって民泊が広がれば、こうした問題の解消が見込まれる。さらに、インターネットを活用して個人同士がモノやサービスをやり取りする『シェアリングエコノミー』を加速させ、経済効果を生み出すのも狙いだ」
「民泊人気の理由は、必ずしも宿泊費の安さではない。日本人の普通の暮らしという、ひと味違った旅行体験へのニーズに対応することで、訪日客のさらなる増加も期待される」
--現状では無許可営業や近隣住民とのトラブルが目立つ
「営業許可を受けずに客を泊める『ヤミ民泊』が横行し、行政は実態を把握し切れていない。収益を上げながら、適切に納税していない貸主も多いとみられる。規制緩和によって営業許可を申請しやすくするだけでなく、米Airbnb(エアビーアンドビー)などの仲介事業者に対し、物件登録時に営業許可の有無を確認するよう義務付ける法整備も今後の検討課題だ」