「定番ルート」から脱却…多様化進む日本観光 訪日客の増加ペースが加速 (1/3ページ)

2015.8.20 06:30

豪華客船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」。多数の中国人観光客を日本に送り込む“怪物”だ=中国・上海(田端素央撮影)

豪華客船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」。多数の中国人観光客を日本に送り込む“怪物”だ=中国・上海(田端素央撮影)【拡大】

 訪日外国人客の増加が加速している背景には、これまでの定番だった東京や京都といった「ゴールデンルート」にとどまらず、クルーズ船で地方の街を訪れたり、各地のラーメン店を巡る外国人が増えるなど、日本観光の内容が多様化していることが挙げられる。

 「わずか数時間で店から商品がなくなった」

 7月、鳥取の小村に異変が起こった。人口3450人の日吉津村(ひえづそん)の商業施設「イオンモール日吉津」に村の人口を超える約4000人の中国人観光客が120台のバスで押し寄せ、医薬品や紙おむつなどを買いあさったのだ。寄港時間はわずか8時間だったが、地元には億単位のカネが落ちたようだ。

 その理由は、鳥取・境港に寄港した世界最大級のクルーズ船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」。乗客定員は4905人で日本籍最大の「飛鳥II」の5倍。全長348メートルの威容はまさに洋上に浮かぶ“怪物”だ。米ロイヤル・カリビアン・インターナショナルが6月から上海を母港に日本などを巡るクルーズ船として就航させた。

「スシ・テンプラはもう古い?」

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