ベトナムは、IT(情報技術)産業の急成長に人材確保が追い付いていないもようだ。同国の求人サイト「ベトナムワークス」は、2020年までにIT技術者が50万人不足すると予測し、人材育成が喫緊の課題だと指摘した。国営ベトナム・ニューズなどが報じた。
ベトナムは、技術力の高さやコスト安により、IT分野の中でも国外企業からソフトウエア開発などを請け負うアウトソーシングが急拡大している。米コンサルティング会社ソロンズによる「15年度版ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)事業拠点ランキング」では、首都ハノイ、最大都市ホーチミンがともにベスト20以内に入った。
同国のIT関連企業数は現在、12年と比べて69%増となり、なかでもソフトウエア関連の企業数が124%増と2倍以上に膨らんだ。それに伴い、過去3年間のIT関連求人数は年平均47%増で拡大しているものの、IT人材の供給は同8%増にとどまっているのが現状だ。
ベトナムワークスは、人材育成を急がなければ、20年には同国で必要とされるIT人材の78%に相当する50万人のIT技術者が不足することになると警鐘を鳴らす。