もし自動運転技術搭載車の事故率が一般車に比べて大幅に低ければ、二酸化炭素の排出量を大幅に削減できるエコカーと同様に税制などの優遇措置を導入して普及促進を図ってもよいだろう。併せて自動車保険の保険料率も引き下げられるはずだ。自動運転技術の本格普及に向けて議論が進んでいると思っていたが、かなり難航しているようだ。
「昨年から損保業界とは議論を始めているが、双方の主張が大きく食い違って平行線のまま」(日産自動車担当者)、「自動ブレーキが交通事故を減少させていると証明できないので保険料率は下げられないと聞いている」(富士重工業広報)と自動車メーカーからは不満の声を聞いた。
一方、損保業界は「まだ検討を始めたばかりで取材に応じられる段階ではない」(大手損保広報)とガードが堅い。確かに年間正味収入保険料7兆7713億円(2013年度)のうち6割強を占める自動車関連保険に大きく影響を及ぼす可能性が高いだけに慎重になるのも無理はない。