市場では「6・8%」を事前予想する声が多かったほか、26日から始まる中国共産党による「第18期中央委員会第5回総会(5中総会)」前後に、緊急の景気刺激策が打ち出されるのではないかとの期待も広がって株式市場は買われた。
19日午前の上海総合指数は前週末終値比で0・5%上げて、節目の3400台を維持した。高度成長を求めず、成長鈍化路線にギアダウンするとの習近平指導部による「新常態(ニューノーマル)」宣言の本気度を示したGDP統計を、期待感を込めて好意的に受け止めた。ただ、都市部を中心に発展した中国経済の成長余地は小さく、国際競争力も低下した。高齢化で潜在的な成長力も落ち始めている。今後、不良債権問題のコントロールを誤れば金融機関や企業の経営破綻が増え、雇用情勢も悪化する懸念がある。中国経済の低迷は日本を含む国際社会の経済が打撃を受ける。中国の景気動向から片時も目を離せなくなってきた。