【上海=河崎真澄】世界経済にとって最大級のリスク要因となっている中国の景気動向がさらに不透明感を増した。四半期ベースで前年同期比GDP成長率を実質で6年半ぶりの7・0%割れの6・9%と発表したが、「この数字はなお政治的だ」と懐疑的にみる市場関係者も少なくない。
GDP統計と同時発表された9月の発電量は前年同月比3・1%マイナスだった。省エネ技術が進んだとはいえ、製造業など産業を支える電力消費の落ち込みは、経済活動から力強さが削がれ始めたことを示唆している。輸入が単月ベースで20%以上も落ち込んでいる中で、「世界の工場」から「世界の市場」へと進化するはずだった中国経済への待は失望に変わった。
中国国家統計局の盛来運報道官は19日の記者会見の席上、「世界経済の変調で貿易が伸び悩んだほか、国内の構造改革がなお進行中なことなどが理由」と成長鈍化の理由を説明した。