さらに、マスク氏がチューブ列車の計画を進めるカリフォルニア州ではすでに、2030年ごろに開通を目指す高速鉄道(サンフランシスコ-アナハイム間)の計画が州政府の主導で進んでいる。それでも、マスク氏は、州政府の高速鉄道計画の総事業費(約680億ドル)に比べればチューブ列車はコストが安いとして、計画を変更するよう訴えている。
また、チューブ列車を研究・開発しているのはマスク氏だけではない。米ベンチャーのET3(コロラド州)は、やはり真空チューブをリニアモーターカーが走るプロジェクトを進行中で、特許もとっている。
さらに、中国でも、政府の支援を受けて大学などで真空チューブ列車の研究が進められている。中国メディアなどによると、10年後にも実用化を目指しており、時速はなんと4千キロ。国際列車が北京とワシントンを2時間で結ぶという。
マスク氏が、こうしたライバルとの競争や課題を乗り越え、「夢の弾丸列車」を完成できるのか。米ニュースサイトのザ・バージは「まだ時期尚早だが、ハイパーループは輸送の世界を一変する可能性を秘めている」と指摘している。