両リゾートの業績悪化の背景には、中国人旅行者の減少がある。中国は経済成長とともに富裕層が増加し、両リゾートのカジノ部門の上客となってきた。しかし、中国の経済成長の鈍化や同国政府による汚職追放を掲げたぜいたく禁止キャンペーンなどにより、カジノを訪れる中国人の上客が減少した。
両リゾートのカジノ部門は年間売上高で合計60億Sドルを稼ぐといわれていたが、このうち半分が中国人の上客によるものとされていただけに、影響は大きい。
現在は、統合型リゾートの特色を生かしてホテルやショッピング、テーマパークなどの娯楽施設や会議関連で収益の多様化を図っているが、これまで利益の約50%を占めていたカジノ部門の減速を取り返すのは容易ではないとみられている。