統合型リゾート推進法案の成立の可否が「地方創生」や「女性活躍」に並ぶ臨時国会の重要課題となっている。超党派の「国際観光産業振興議員連盟」が策定した同法案は、慎重論が根強い公明党に配慮して前回は実質審議が見送られたが、安倍晋三首相はカジノ実現を成長戦略に掲げており、今国会での成立に自治体や企業の期待もかかる。ただ、政府が目指す2020年の東京五輪・パラリンピック開催までの開業には課題も少なくない。
推進法案は、カジノを中心にホテルや劇場、イベント会場、国際会議場などを併設した大規模な統合型リゾート施設(IR)の実現に向けて、政府に関連法の整備を課すものだ。成立後1年以内に「実施法」と呼ぶ具体的な法律を策定することになっており、事業者選定や運営方法、社会的問題への対策などが規定される。
議連の幹事長を務める自民党の岩屋毅衆院議員は「13年間議論してきたが、いよいよだ。幸い東京五輪の際は外国人が多く来る。その時期に開業するのがいい」と推進法案の早期成立に期待を寄せる。
議連は20年までに、都市型と地方型のIRが3カ所程度開業すると想定している。受け皿となる自治体を選定し、IRの運営に関わる内外企業と自治体が連携して着工する流れだ。現時点では横浜市や大阪府、沖縄県などが有力な立地候補に挙がっている。