出版社で働く女性(37)は、社内に女性管理職はいるが「独身か結婚しても子供がいない“バリキャリ”ばかり」。高額なベビーシッターを雇う手もあるが「子供が寝てから帰る生活はしたくない」と考える。
政府は「2020年までに指導的立場に占める女性の割合30%」を掲げるが、現状は先進国最低レベルの11%。出産で女性の約6割が仕事を辞める国で、3倍に増やすのは容易でない。安倍首相の要請もあり、相次ぎ女性活用へ動く企業が増える一方、肝心の女性たちが乗り気ではないケースが目立つ。
労働政策研究・研修機構の調査(12年)では300人以上の会社の従業員で「役付でなくてもいい」と答えた女性の割合は68.9%。男性の25.7%に比べ昇進希望は著しく弱い。「不眠不休で働ける社員だけが評価される職場では、育児や介護など制限のある働き方はハンディになる」とワーク・ライフバランス社長の小室淑恵氏はいう。