2年目に入ったアベノミクスだが、円安も株高も「第1の矢」である日銀の異次元緩和、すなわち金融主導経済によって支えられている。さまざまな経済指標を総括すると、日銀の緩和マネーが生産や雇用に本格的に回れば景気回復軌道に乗ったと言えるのだが、まだ不十分な状況にある。
アベノミクスの「第1の矢」であるお札を大量に増刷する日銀の異次元金融緩和策の株式市場に対する威力は抜群で、2014年もハイペースで日銀マネーが金融市場に流し込まれる。しかし、金融主導経済に死角はないのか。株高はこれからも続くのか。われわれの暮らす実体経済は株高の恩恵で本当によくなるのか。
株価だが、グラフを見よう。国際標準株価指数のMSCIで見るトルコなど日米と新興国の株価(ドル建て)の推移だが、トルコの急落ぶりが際立っている。同国は実質経済成長率は年4?5%も伸びているのに、なぜか。最大の原因は米国のFRB(連邦準備制度理事会)のQE(量的緩和)縮小である。QE縮小観測が出始めた昨年前半から、欧米の投資ファンドが一斉にトルコ企業株を売り始めた。