インドの自動車業界が引き続き販売低迷にあえいでいる。インド自動車工業会(SIAM)によると、今年11月の国内新車販売台数は前年同月比14%減となり、12カ月連続で前年実績を下回った。高金利と経済成長の鈍化で消費者の購入意欲は冷え込んだままだ。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどが報じた。
インド政府は2006年にまとめた「自動車産業発展10カ年計画」(AMP)で、16年までに自動車売上高を年間1450億ドル(約15兆1990億円)、自動車業界の新規雇用者数3500万人を目標としている。しかし、自動車産業が今後年率10%で伸びたとしても、16年の売上高は1090億ドル、新規雇用者数は2600万人にとどまり、現状では目標に遠く及ばない情勢だ。
SIAMのビシュヌ・マトゥール事務局長は危機感をあらわにし「自動車に対する物品税の引き下げやエコカーへの買い替えを促進するための補助金支給などの販売強化策が必要」と指摘し、販売回復に向け、政府の後押しを求めている。(ニューデリー支局)