2008年73億円だった「ふるさと納税」の寄付金額は、2012年には1・8倍の130億円に増えた。その理由は魅力的な“お礼”の特産品にある。この秋も、おいしそうな旬の品々(取材・文●山本信幸 撮影●藤澤卓也 イラスト●西田ヒロコ)
特産品がもらえて節税効果も大きい
「ふるさと納税」(ふるさと寄附金)は、都道府県や市区町村の自治体に寄付をして確定申告をすると、寄付金の一部が所得税・住所地の住民税から控除される制度。
共同募金会などに対して行なう一般の寄付と、ふるさと納税では大きく異なる点が2つある。まず「寄附金控除」という税金が軽減される措置の違い。一般の寄付は基本控除額(10%)のみだが、ふるさと納税では基本控除額(10%)+特例控除額が受けることができる。
そして2つ目が肝心なポイント。自治体によっては寄付の“お礼”としてその時々の旬の地元の特産品を贈ってくれること。
秋から冬の味覚を用意している自治体を中心に大紹介! 4年前から寄付を開始した“経済&ふるさと納税のプロ”が解説
旬の特産品をもらうために知っておきたい基礎のキソ
無理なく長期的に東北の復興を支援できる仕組みとしての「ふるさと納税」に着目!
震災以降、東北の複数の自治体に「納税」
ふるさと納税のよさは、自分が応援したい自治体に直接お金を寄付できるところ。経済ジャーナリストの荻原博子さんは、2011年の東日本大震災を機に東北支援のためにふるさと納税を始めた。「震災直後は寄付(義援金)がたくさん集まったのですが、時間がたつにつれて世間の関心が薄れてきて……。どうすれば多くの人が長く継続して被災地に寄付を続けることができるのかと考えた答えが、ふるさと納税の利用でした」