「今回だけ」保証なし
クック氏の声明によると、FBIはセキュリティー機能を回避できる新しい基本ソフト(OS)を作成し提供するよう求めているという。
クック氏は「そんな要求をのめば、ロック機能は数百万通りの番号を手当たり次第に試す“総当たり攻撃”を受け、簡単に解除されるだろう」とし、ハッキングに対する安全性が損なわれるとの懸念を表明。さらに、「FBIは今回の事件に限って使用すると言うだろうが、それを保証するすべはない」とし、当局による個人情報収集に悪用される可能性を指摘した。
米IT企業は、2013年に米国家安全保障局(NSA)の職員だったエドワード・スノーデン容疑者(32)が、通信傍受などで当局が大量の個人情報を収集していたことを暴露して以降、利用者の信頼回復のためセキュリティーを強化。捜査などへの協力も消極的な姿勢を示してきた。