「このように軽率な言動を続けるなら、韓日関係の根本的な改善は期待できないだろう」とし、韓国に否定的な後日談が伝わる状況について、韓国外務省に対しても「最初から全てを明らかにしていれば、日本のダーティープレーがこれほどひどい状況にはならなかった」と叱責した。安倍氏らは日本の立場を繰り返しただけで、慰安婦問題では常に韓国が高みにいるとの“おごり”がなければ、出るはずもない発想だ。
朝鮮日報は一方で、朝鮮王朝初期に対日折衝に当たった申叔舟(シン・スクチュ、1417~75年)という文官の逸話を紹介する専門家の寄稿も掲載している。申は「日本を警戒しつつも、決して『失和(関係悪化)』してはならない」と対日関係の重要性を言い残したといい、寄稿は「過去史の名分論と感情的な争いで、対日関係を4年近くも空転させた李明博・朴槿恵両政権の短見を皮肉る『先見の明』といえよう」と指摘している。
名分論と感情論で、社論さえ定まらない朝鮮日報にこそ耳を傾けてほしい先人の言葉だ。(国際アナリスト EX/SANKEI EXPRESS)