米国務省が、毎年9月の国連総会シーズンに拠点として使ってきたニューヨークの名門ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」を、今年は利用しないことが18日までに分かった。国務省側は理由を明かしていないが、このホテルを昨秋、中国資本が買収したことに加え、今月はじめに起きた米政府職員400万人分の個人情報がハッカーに盗まれる事件で中国のハッカー集団の関与が浮上したことから、安全保障上の問題を懸念したとみられる。国務省の決定にホワイトハウスや他の政府機関などが追随するのは必至。米中間の神経戦が続く中、名門ホテルの看板にかげりが見えてきた。
外交史の重要な舞台
ホワイトハウスと国務省は今回のホテル問題に関しコメントを拒否したが、AP通信は17日、当局者の声として、ウォルドーフの代わりに、同じくニューヨーク中心部にある1882年創業の老舗ニューヨーク・パレス・ホテルを使うと報じた。