【アメリカを読む】
2012年4月、勝手にイランを訪問して国営テレビに利用され、「『イランことをやってきた』といわれるが、そうではない」と嘯(うそぶ)いたのは鳩山由紀夫元首相(67)だった。首相を退いた後、外交担当の民主党最高顧問だったときの出来事だ。鳩山氏にその自覚はないだろうが、歴史に名を残そうとした指導者が「イランこと」をする例は枚挙にいとまがない。米国では2期目の中間選挙が終わった後の大統領がその魔力にひかれるようだ。
関与を選んだオバマ氏
11月の中間選挙で与党・民主党が大敗したバラク・オバマ米大統領(53)は、中国との温室効果ガスの削減合意、大統領令による移民制度改革の実施など共和党が嫌う政策を連発した。キューバとの国交正常化交渉の開始を表明したのは、挑発の最たるものといえる。
「米国の政策変更が一夜でキューバ社会に変革をもたらすとは期待していない。しかし、関与政策を通じてこそ、キューバ国民が『21世紀』へ動き出す助けになると確信している」