オバマ氏「長い時間、話したことをおわびします」
ラウル・カストロ氏「気にしないでください、大統領閣下。あなたはまだ若いから、フィデルの記録を破る機会がありますよ。彼は7時間ぶっ続けで話したことがあるんです」
オバマ氏が15分間の冒頭発言を「長い」と謝罪した後、カストロ氏は30分にわたって話し続けたという。
米国は冷戦期に何度もフィデル・カストロ氏の暗殺を企ててきたが、高齢なカストロ兄弟が退いた後のキューバをにらみ、軟着陸シナリオを描いているとみられる。政治的、経済的な結び付きを強めることで「ポスト・カストロ体制」が極端な反米に動くのを防ぎ、長期的な体制変革を促すというわけだ。
ただ、カストロ氏は電話協議後の20日、国会に当たる人民権力全国会議で「われわれは米国に政治体制の変更を求めてこなかった。米国にもわれわれの政治体制を尊重するように求めていく」と述べ、共産主義体制を堅持する考えを示した。
急場しのぎは禍根
オバマ氏の軟着陸シナリオに関し、米国の中南米政策に詳しい米ヘリテージ財団のアナ・キンタナ研究員はキューバの国有企業の8割が軍の管理下にあることを挙げ、「キューバ国民ではなく、体制を軟着陸させるものだ」と批判する。