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「イランこと」する大統領 (4/4ページ)

2015.1.6 15:30

米フロリダ州マイアミのリトルハバナで、バラク・オバマ大統領がキューバとの国交正常化交渉開始を表明したことに抗議するキューバ系米国人たち。プラカードには「オバマはカストロ同様の殺人者だ」などと書かれている=2014年12月17日(ロイター)

米フロリダ州マイアミのリトルハバナで、バラク・オバマ大統領がキューバとの国交正常化交渉開始を表明したことに抗議するキューバ系米国人たち。プラカードには「オバマはカストロ同様の殺人者だ」などと書かれている=2014年12月17日(ロイター)【拡大】

  • 米国・首都ワシントンン、キューバ・首都ハバナ

 軍の下で最も利益を上げているのは観光産業だという。国交正常化で米国の旅行客が増えても、軍をはじめカストロ体制の懐が潤うだけというわけだ。

 与党がほぼ議席を減らす2期目の中間選挙後、大統領は内政の停滞を上回る得点を、大統領権限で進めやすい外交で上げようとする。オバマ氏も例外ではない。過去十数年で、そこから最も多くの利益を得てきたのは北朝鮮だ。

 クリントン政権末期の2000年10月には現職閣僚として初めてマデレーン・オルブライト国務長官(当時)が訪朝し、金正日(キム・ジョンイル)総書記(当時)と会談した。北朝鮮を「悪の枢軸」と呼んだブッシュ政権も融和政策に転じ、08年10月にテロ支援国家の指定を解除。北朝鮮はその間も着々と核・ミサイル開発を進めた。

 キューバを出港した北朝鮮籍の貨物船から無申告の戦闘機やミサイル部品などが見つかったのは昨年7月のことだ。オバマ氏が残り2年の任期での実績に焦り、急場しのぎでキューバへのテロ支援国家指定を安易に解除すれば、禍根を残すことになる。(ワシントン支局 加納宏幸(かのう・ひろゆき)/SANKEI EXPRESS

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