17日、政策変更を表明したオバマ氏はこう述べた。
米国は1982年、共和党のレーガン政権下でキューバをテロ支援国家に指定。キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(88)、ラウル・カストロ国家評議会議長(83)の兄弟による共産主義体制の人権侵害を問題視し、孤立化を図ってきた。こうした「封じ込め政策」には、キューバでの圧政を逃れて亡命してきたキューバ系の支持があったが、若年層では国交正常化を支持する意見が強くなっている。
また、キューバとの国交正常化で反米色の強いベネズエラやボリビアとの間に楔(くさび)を打ち込むことは、かげりを見せる中南米での米国の影響力を強めることにもなる。中米では中国資本がパナマ運河と競合するニカラグア運河の建設に着工。中国やロシアに「裏庭」を荒らされるのを防ぐため、オバマ氏はキューバへの「関与」を選んだ。
長広舌の応酬
オバマ氏によると、61年に断絶した国交の正常化に向けた歴史的な16日の電話協議は、両首脳のこんな応酬で始まった。