前日、第二次大戦などの戦没者が眠るアーリントン国立墓地で、安倍晋三首相が献花したことに触れ「過去は克服でき、かつての敵は最も緊密な同盟国になりえ、未来を共に築くことができる」とも語った。
日米は戦後、民主的な価値観を共有するパートナーとなり、同盟関係をアジア太平洋地域と世界で、より大きな責任と役割を担うものへと変容させる-。オバマ氏が使った平凡な日本語にこそ、戦後70年の節目に安倍首相を迎え入れた狙いが秘められている。
第1に、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定による日米同盟の強化は、リバランス戦略の中核を成し、主に中国に対する牽制(けんせい)と抑止につながる。日米同盟は戦後長らく、東西冷戦構造下で対旧ソ連を主眼とした。冷戦終結後は対北朝鮮に重心が移され、近年は対中国へと移行しており、日米同盟の変遷は国際軍事情勢の変化に敏感に適応している。
リバランス戦略を推進するうえでの日米同盟強化の重要性を、オバマ氏は「リバランスは、日本との(安保)条約などに基づく同盟を土台にしている」という言葉で、端的に表現した。