≪巨大生物 進化解明の鍵≫
約4億8000万年前の地球の海には、頭部にある2本の突起を使って餌を捕らえる“人間サイズの巨大ロブスター”が生息していたことが、米英両大学の研究でこのほど、明らかになった。モロッコで発見された化石の分析で判明したもので、口の前についたフィルターでプランクトンなどの小さな生物を大量に濾(こ)し取る捕食方法は、ヒゲクジラなどの現代の巨大生物につながる部分を持ち合わせているという。
海の中を広く掃除
英BBC放送やロイター、AFP通信などが19日までに報じた。
この生物の名は「エーギロカシス・ベンムーラ」で、体長2.1メートル以上。イカに似た魚雷型の頭部と11の節に分かれたエビのような胴体を持ち、各体節の両側には脚の代わりに上下を向いた2枚のフラップ(飛行機の「下げ翼」状のもの)が付いている。
当時地球に生息していた中では最大の生き物と考えられており、各種の報道を総合すると、今回の研究成果には生物の進化の過程を解明する上で画期的ないくつかの発見が含まれているという。