ダフト・パンク、ファレル・ウィリアムス、ブルーノ・マーズをフィーチャーしたマーク・ロンソン。ここ数年、1970年代後半から80年代初頭にかけてのファンクやディスコの影響を受けたサウンドが全米のヒットチャートを席巻している。そして、この流れに乗るかのように絶妙のタイミングでアルバムがリリースされたのがメイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンのユニット、Tuxedo(タキシード)だ。この作品は、R&Bやヒップホップのファンはもちろんのこと、ディスコ、ハウスといったクラブミュージックの愛好家からポップス、ロックなどのメジャーな音楽のリスナーまであらゆる対象を魅了する可能性を秘めている。
その理由は2人の音楽的背景に由来する。メンバーのメイヤー・ホーソーンはもともとヒップホップのDJであったが、ボーカリストとして「ストーンズ・スロウ」なるアンダーグラウンドなブラックミュージックをサポートすることで有名なインディペンデント・レーベルからデビュー。1960年代のサウンドをリメークしたモダンなR&Bの旗手として一躍脚光を浴びた。昨年はファレル・ウィリアムスをプロデューサーに迎えたアルバム『Where does this door go』でメジャーデビューも果たしている。