踊れるジャズとジャズに影響を受けたダンスミュージックの総称、クラブジャズ。そんなクラブジャズの先駆者で、英BBC放送では毎週3時間のラジオ番組を持ち、日本でもInterFMで水曜の深夜に1時間を担当しているクラブDJにして、ラジオDJでもあるジャイルス・ピーターソン。今年は、ブラジルW杯ということもあり、現地ミュージシャンをオーガナイズしてアルバムをプロデュースしたり、自らが運営するレーベル「ブラウンズウッド レコーディングス」から本コラムでも取り上げた新人ユニット、アヌーシュカのデビューアルバムをリリースするなど八面六臂の活躍でわれわれを楽しませてくれた。そして、彼が年末に2014年を総括するかのようなコンピレーションをリリースした。それがこの『ブラウンズウッド・バブラーズ・11』である。
既に人気シリーズとなっているこのカタログは、いわばその時代を代表するトラックをジャイルス・ピーターソンという希代の目利きをバイヤー役に起用した音楽のセレクトショップのような作品。世界中からジャイルスの元に届く音源を彼が厳選し、主にリスニング色の強い楽曲を収録している。