プロのDJであっても、レコード店での試聴やプロモーション盤のチェックではなく、同業者から情報を得ることがある。熱心なファンから「プライドはないのか」とか「同業者にネタをバラしていいのか」と質問されたりすることもある。しかし、DJの使命は、知られざる名曲を一人でも多くの人に紹介することだと思っている僕は、尊敬するDJに教えを請うことに何の恥じらいもないし、ときには後輩のプレーに曲名をたずねることもある。プロのDJたるもの日々リリースされる膨大な楽曲を見過ごさないように、あらゆる機会とルートを使って未知の楽曲に出会う努力を続けないといけないわけだから。
2014年、最大の発見
今回、紹介するジャロッド・ローソンは僕が尊敬するロンドンのジャズDJ、パトリック・フォージのラジオ番組で知った。昨年末は彼の家にお邪魔し、さまざまな音源を直伝してもらったりもした。ただし、日常的に質問するわけにもいかず、彼の番組を時間のあるときにチェックしている。2014年で最大の発見はこのジャロッド・ローソンだったと言えるかもしれない。