LINEは困難
通信傍受は各警察トップが必要性を判断し、令状請求手続きも幹部警察官に限るなど運用は厳格だ。年間数千~十数万単位で令状が出る欧米諸国に対し、国内では過去最多だった一昨年でも64件だ。
過去には裁判所が許可しなかったケースもあり「恣意的運用などあり得ない」。傍受を行った捜査員はそう断言し「犯罪の会話はだいたい夜中や未明。電話会社の立ち会いがなければ、時間を気にせず捜査できる」と改革案を評価する一方、劇的な効果には懐疑的だ。
ネット回線を利用したLINE(ライン)の無料電話などの傍受は技術的に困難とされ「暴力団の事件でも盗聴を警戒して、肝心のところで『この続きはラインで…』となり、主犯にたどり着けなかった。振り込め詐欺の知能犯を相手に通用するかは疑問だ」(捜査員)。通信傍受見直しに絡む法改正は今国会で審議される見通しだ。