米国最大級の病院グループ、コミュニティー・ヘルス・システムズ(CHS)は8月18日、中国からサイバー攻撃を受け、約450万人分の患者の個人情報が盗まれたと公表した。米国ではこの半年間に、医療機関に対する攻撃が相次いでいるという。攻撃を仕掛けたハッカー集団は、これまで米国の防衛、宇宙航空、ITといった企業を標的に産業スパイ活動を行ってきたとされ、中国政府当局の関与も疑われている。ただ、今回盗まれた患者の情報はとても中国当局が欲しがるとは思えないものばかり。米国の専門家らは警戒を強めながらも、謎のサイバー攻撃の意図をいぶかっている。
450万人分が流出
情報流出は、上場企業であるCHSが米証券取引委員会に提出した資料で公表された。ロイター通信などによると、米サイバーセキュリティー企業、マンディアントが調査を行った。この会社は、中国人民解放軍のサイバー部隊の存在を突き止めたことで知られる。
「彼らは、気づかれることなく、何度でも長時間にわたってサーバーに侵入できる相当高度な技術を有している」