世は夏のレジャーシーズンまっただ中。キャンプなど屋外で活動する際、気をつけるべき虫について取材を進めていたところ、海外での「虫の害」にも関心が向いた。長期の休みを利用して海外旅行に出かける人も多いこの時期、行き先によっては、詐欺や盗難といった犯罪行為、食あたりなどのほかにも気をつけるべき「敵」がいる。それは蚊だ。
「世界で1番人を殺している生物は蚊」という一文を読んだことがある。蚊が媒介する感染症の代表格、マラリアは発熱、寒気、頭痛、寝汗、関節痛、筋肉痛などの症状が現れ、治療が遅れると死に至る。厚生労働省によると、日本人にも人気の渡航先であるインドネシアやタイなど、世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行していて、年間3億~5億人の患者、150万~270万人の死者が報告されているという。マラリアのない日本に暮らしているとぴんとこないが、考えてみるとなんとも恐ろしい病気だ。