涙をこらえながら、勇気を出して感謝を伝える彼女の姿に心を打たれた。そして、思った。彼らは、心の奥にある悲しみを乗り越えるために笑っているのだ。悲しみと強さをあわせ持った笑顔なのだと。
台風発生から明日で1年。2つの支援地域では現在、被災からの復旧・復興に取り組みつつ、長期的な地域開発支援に軸足を戻そうとしている。課題は多く、道のりは長いが、支援地域の子供たちや人々が負けそうになるときに手をさしのべ、寄り添うことができる存在として、ともに歩んでいきたいと願っている。(文:ワールド・ビジョン・ジャパン 蘇畑光子/撮影:ワールド・ビジョン・ジャパン/SANKEI EXPRESS)
■そばた・みつこ 恵泉女学園大学卒業後、2006年7月にワールド・ビジョン・ジャパン入団。国内でのファンドレイジング、広報を担当した後、13年4月より支援事業部スポンサーシップ事業課に所属。南アジア諸国での支援事業の監理を担当する。
■ワールド・ビジョン・ジャパン キリスト教精神に基づいて開発援助、緊急人道支援、アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGO。子供たちとその家族、そして彼らが暮らす地域社会とともに、貧困と不公正を克服する活動を行っている。www.worldvision.jp/