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フィリピン台風1年 悲しみ乗り越えるために笑う (2/4ページ)

2014.11.7 09:00

台風のつらい経験を乗り越え、子どもたちは学ぶことを楽しんでいる=フィリピン・レイテ島(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)

台風のつらい経験を乗り越え、子どもたちは学ぶことを楽しんでいる=フィリピン・レイテ島(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)【拡大】

  • 家族で飲む水を運ぶアレクサンダー君(6)。台風発生直後、ワールド・ビジョン・ジャパンはライフラインが破壊された地域に安全な水を届けた=2014年3月3日、フィリピン・レイテ島タクロバン(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 台風の6日後に生まれた男の子をあやすお母さん。ワールド・ビジョン・ジャパンは災害時でもお母さんが安心して授乳や育児ができるスペースを設置している=2013年11月14日、フィリピン(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 元気に走り回る子どもたち=2014年2月11日、フィリピン・レイテ島タクロバン(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 支援地域の子供たち=2014年3月20日、フィリピン・サマール島(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 感謝を伝えてくれた女性(右)=2014年3月21日(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • ワールド・ビジョン・ジャパンの蘇畑光子(そばた・みつこ)さん=2013年11月22日(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 台風30号のコース=2013年11月8日、フィリピン・レイテ島の中心都市タクロバン
  • フィリピン・レイテ島タクロバン
  • フィリピン・レイテ島タクロバン
  • ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)__キリスト教精神に基づいて開発援助、緊急人道支援、アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGO。子供たちとその家族、そして彼らが暮らす地域社会とともに、貧困と不公正を克服する活動を行っている。http://www.worldvision.jp/

 連日報道される被災状況を見ながら、東日本大震災を連想した人は少なくないと思う。私は、東日本大震災発生から3日目に被災地へ向かった。がれきの山が広がり、自衛隊が捜索救助のためにがれきを動かす音だけが響き、町内の体育館には、多くの方々が避難されていた。あの時の喪失感は一生忘れることはできないだろう。

 台風発生から約4カ月後の今年3月、状況把握と今後の活動方針の調整のため、初めて現地を訪問した。WVの事務所のあるタクロバン市ではがれきが片づけられ、ライフラインも復旧しつつあった。支援地域でも、人々は廃材で作った家で生活し、子供たちは校庭に設置されたテントで授業を受けていた。そして、皆よく笑う。フィリピンの人々のたくましさを実感した。一体どんな言葉をかければいいかと悩んでいた私にとって、彼らの笑顔と明るさは救いだった。

 ≪負けそうになるときに寄り添う≫

 あれほどの災害を経験し、今も厳しい環境の中で暮らしているのに、どうしてこんなに明るくいられるのだろう。この強さの秘密は何だろう? 国民性の違いかもしれない。元々の経済規模や生活水準をふまえると、台風による損失によって生まれたギャップが東日本大震災のそれに比較すると小さい、ということもある。でも、いま一つ納得できなかった。

「一言いいですか」「本当にありがとう」

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