2010年バンクーバー冬季五輪でフィギュアスケート男子初の銅メダルを獲得するなど日本のエースとして活躍してきた高橋大輔(28)=関大大学院=が14日、現役引退を表明した。岡山市内で記者会見し「自分の中で、ひと区切りつけてから次に進もうと思った」と、その理由を語った。18年平昌五輪を目指せるかを自分に問い、「今の僕では不可能」と引退決断した。
涙はなかった。鼻とあごの下にひげを蓄え、スーツ姿で会見に臨んだその表情は、とても晴れやかだった。両親や恩師に見守られながら、生まれ故郷の岡山で引退を表明した。
集大成と位置付けて臨んだ今年2月のソチ五輪では右膝故障の影響もあって6位に終わり、日本開催だった3月の世界選手権は欠場。その後、今季の休養を表明していた。
引退を決めたのは、9月半ばで「急な判断だった」という。本格的なシーズン開幕を控え、「始まる前に言おうと思った」と他の選手への気遣いもこの日の発表につながった。