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「細部を描くからこそ」の雰囲気 「思い出のマーニー」美術監督 種田陽平さん (4/5ページ)

2014.9.8 11:30

展示作品「きのこの森」の制作状況を確認する種田陽平さん=2014年6月30日、千葉県市川市(中尾由里子さん撮影)。(C)2014_GNDHDDTK

展示作品「きのこの森」の制作状況を確認する種田陽平さん=2014年6月30日、千葉県市川市(中尾由里子さん撮影)。(C)2014_GNDHDDTK【拡大】

  • マーニーの部屋の窓辺にたたずむ種田陽平さん=2014年7月24日、東京都墨田区・江戸東京博物館(中尾由里子さん撮影)。(C)2014_GNDHDDTK
  • 仮組みされた展示作品の「サイロ」をチェックをする種田陽平さん=2014年6月30日、東京都世田谷区の東宝スタジオ(中尾由里子さん撮影)。(C)2014_GNDHDDTK
  • 映画の中ではさまざまな時間空間の設定で登場する「湿っ地屋敷」。アニメで使用した屋敷の絵を一枚の板に貼り、「湿っ地屋敷」のジオラマは創られた=2014年6月30日、千葉県市川市(中尾由里子さん撮影)。(C)2014_GNDHDDTK
  • マーニーの日記。アニメの中の日記に文字を書いた人の手によって同じ内容が書き込まれた展示作品=2014年7月24日、東京都墨田区の江戸東京博物館(中尾由里子さん撮影)。(C)2014_GNDHDDTK

 アニメの中に出てくる日記は人物と絡むため、通常は作画チームが担当するが、この小道具は作品の中で重要な意味を持つ。そこで、種田さんは作品のイメージに合うよう自らデザインを手がけ、実際にカバーを印刷して本に巻き、それを米林監督に見せたという。その手作りの日記帳をもとにアニメは描かれた。

 その後展覧会用に日記を製本所で何十冊も印刷し、それにエイジング(汚すなどし、古いものに見せる美術手法)を施した。その中で一番イメージに近いものに、アニメの中の日記に文字を書き入れた人に同じ内容を書き込んでもらい、さらにエイジングを加えた。

 一枚一枚の絵画が集積して創り上げられるジブリの世界。細部へのこだわりを追求する種田さんの手法が注入され、作品に「ファンタジー」が宿る。そして、いつの間にか人は彼の織りなす「魔法の輪」に取り込まれてしまうのだ。(写真・文:フォトグラファー 中尾由里子/SANKEI EXPRESS

ガイド:展覧会「思い出のマーニー×種田陽平展」

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