権限強い州政府
今回の首脳会談で蜜月を演出した両国政府だが、課題も横たわる。ジェトロの野口直良ニューデリー事務所長は「インドには、土地収用の難しさや多発するストライキ、複雑な行政手続きなど投資環境の未整備などの問題がある」と指摘する。
実際に電機メーカーや大手商社は「州政府の権限が強く、工業団地や発電所建設に取り組もうにも地方政府トップがGOサインを出さないと土地収用も何も進まない」と嘆く。投資に難題が立ちはだかっているのが実情だ。
経済産業省は、タミル・ナドゥ州と政策対話を通じて日系のニーズに応じた投資環境の改善に布石を打つが、今後は同様の枠組みを他州に広げられるかも焦点だ。
モディ首相は講演で「ビジネス環境の改善のために何が必要か持って来てくれればそれを解決したい」と環境改善に前向きな姿勢を強調した。(上原すみ子/SANKEI EXPRESS)