独占打破
「中国と米国の新たな形の大国関係は新たな進展をみた。両国が手を携えて世界金融危機の影響に対処し、世界経済の回復を推し進めた」。中国の習近平国家主席(61)は(7月)9日に北京で開かれた「米中戦略・経済対話」で中国の貢献を強調した。経済力が新興国でも突出する中国は、2008年のリーマン・ショック直後に4兆元(約65兆円)の景気刺激策を発動し、欧米や日本に先駆けて経済を回復させた。
新開発銀行について中国メディアは「世銀やIMFを通じた先進国による国際金融システムの独占を打ち破る」とする政府系研究者の声を伝えた。中国主導の「アジアインフラ投資銀行」構想では楼継偉財政相(63)が「中国が最大の出資国となる」とした上で「日本や欧米の参加も歓迎する」と発言。中国駐在の日本の金融機関幹部は「先進国も参加する国際金融機関を中国が牛耳る。それが中国の目標だ」とみる。