中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカの新興5カ国(BRICS)の首脳会議が7月15日、ブラジル北東部フォルタレザで開かれる。米国が主導する世界銀行に対抗する独自の開発銀行の設立が主要議題で、ブラジル外務省によると、今回の会議で設立協定に調印する見通し。本部の場所は上海が有力という。
1944年のブレトンウッズ会議を受け、米国の強い影響下にある世界銀行と国際通貨基金(IMF)が戦後の世界経済の安定と復興を担ってきた。BRICSによる国際金融機関創設は、中国が提唱する「アジアインフラ投資銀行」と共に、70年が経過して制度疲労も指摘される現行秩序への挑戦という側面もある。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(61)は首脳会議に先立つタス通信との会見で、BRICSの役割を新たな段階に引き上げ、米国の一極支配への対抗軸とすべきだと表明。ウクライナ南部クリミア併合で受けた米欧の制裁による国際的孤立を回避する考えを明確にした。
プーチン氏は、一部の国が全てを決めるモデルは「非効果的」だと強調、首脳会議でウクライナ情勢やイラク問題を協議する意向も示した。