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山の中で「泣ける自分」発見できたのでしょう 「八月の六日間」著者 北村薫さん (2/4ページ)

2014.6.3 14:10

実は登山経験はほとんどないという北村薫さん。「登らないからこそ想像が広がるのかも」とほほえむ=2014年5月9日、東京都千代田区(宮崎瑞穂撮影)

実は登山経験はほとんどないという北村薫さん。「登らないからこそ想像が広がるのかも」とほほえむ=2014年5月9日、東京都千代田区(宮崎瑞穂撮影)【拡大】

  • 作家、北村薫さん。「欠けた部品」というフレーズが印象的な本作。山の中での景色や出会いが、誰しもが抱える「欠落」を埋めていく=2014年5月9日、東京都千代田区(宮崎瑞穂撮影)
  • 「八月の六日間」(北村薫著/角川書店、1620円、提供写真)

 感情が開放される

 なぜ、山。「山好きの女性編集者から話を聞いたことがきっかけ。山を歩くことでいろんなことを考えるでしょう。普段、忙しい生活の中ではあまり立ち止まって考えないことを。あ、これは書けるな、と」

 藤原ちゃんとともに、初めて山を訪れた「わたし」。偶然迷い込んだ涸れ沢が、悲鳴を上げていた心を救った。どこまでも続く紅葉のアーチ、ひとつひとつきらめく葉…。〈めったに、つんとはしない、させない涙腺が、何だか緩みそうになった〉。以来、一息つくたびに、いや、一息つけるために、「わたし」は山へ向かう。〈わたしは山に行くと、涙もろくなる自分を発見する。それは山が、わたしの心を開いてくれるということだろう〉

 「生きていけば、いろんなことがある。身動きを取れなくなることもある。そんな中で、山に行くと、感情が開放される。人は本当は泣きたい。でも、日常生活ではなかなか泣けない。彼女は、山の中で『紅葉を見て泣ける自分』を発見できたのでしょう」

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