【本の話をしよう】
幽霊は存在するのか否か、という疑問が、友人同士、あるいは家族親戚等々の話題になったことがない、という大人の方は、日本にどのくらいいるのでしょうか。多くの場合、一度くらいはそんな話をしたことがあるのではないでしょうか?
一昔前ほどではありませんが、今でもたまに『霊魂』『超常現象』『いわくつきの土地・物件』『呪い』『奇怪な現象』を特集するスペシャル番組が放送されたりします。私もついチャンネルを合わせてしまうときがあります。
残念ながらというべきかどうなのか、私はそのような不思議体験をしたことはありません。けれども、私の姉は若いころ、たびたびそれらしきものを見たり聞いたりしたようです。姉から話を聞くにつけ、怖さにおののきながらも、「姉の世界にはあるのに、私の世界にはないものがある」と、若干羨(うらや)ましくも思いました。
不思議現象に無縁だからこそ、興味をひかれるのかもしれません。
あの刺激をもう一度
20年以上前、私の嗜好を知ってか知らずか、怖い系の小説を職場の先輩が貸してくれました。『墓地を見おろす家』(小池真理子著)がそうです。