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「怖いもの」が持つ奇妙なロマン 乾ルカ (4/5ページ)

2014.5.21 17:45

近所の桜。今年は4月末に急に暖かい日が続いて、一気に咲いて一気に終わってしまいました=2014年、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)

近所の桜。今年は4月末に急に暖かい日が続いて、一気に咲いて一気に終わってしまいました=2014年、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)【拡大】

  • 近い、近い!_カメラに興味津々の乾家の愛犬・まるが札幌の風景をご案内します=2014年、北海道(乾ルカさん撮影)
  • 「墓地を見おろす家」(小池真理子著/角川ホラー文庫、605円、提供写真)
  • 「私の骨」(高橋克彦著/角川ホラー文庫、在庫なし、提供写真)
  • 【本の話をしよう】作家、乾ルカさん=2月15日(提供写真)

 最後のどんでん返しも鮮やかです。一方向に進んでいた恐怖が、たったワンシーン、たった一文、たった一言のモノローグで、それまでとは違った顔を見せる。超常現象的な恐怖が、人間そのものの持つリアルな恐怖にすりかわったりもします。異なる方向から見た顔が生む新たな恐れは、淡々と冷静な文章で書かれますが、そこで小説の幕が下りることにより、読者に想像の余地を残すのです。読者は新しい顔に驚き、言葉として明確に表現されていない『その先』を思い、よりいっそうの怖さに戦慄します。表されていないだけに、イマジネーションのふくらみは限度を知りません。

 ちょっと外れた世界

 本当は『怖いもの』なんてないほうが、人生は楽しいはずです。けれども、私はどうしてか、現実からちょっと外れた世界を夢見てしまいます。怖いかもしれないけれど、今いるここだけがすべてじゃない、ということに、奇妙なロマンを感じてしまうのです。

『私の骨』に収録されている「髪の森」

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