販売価格は、一般の野菜の価格より1割ほど高い。病気や害虫に弱く、育てるのに、手間ひまがかかっているからだ。それでも、道の駅かなんの支配人、石原祐也さんは「消費者からすれば、普通のキュウリと毛馬胡瓜に違いはない。消費者の立場に立ち価格設定をしている」と話す。
販売方法にもさまざまな工夫を凝らしている。伝統野菜は旬の時期にしか収穫できないものが多いが、一年中楽しんでもらおうと毛馬胡瓜の漬物を販売したり、「田辺大根は煮崩れしにくく甘いので、おでんに向いている」といった情報やレシピを提供したりしている。
こうした成果から、週末には午前中でほとんど売れてしまうことも。客層は、40代から60代が中心で、その形に新鮮味を感じて購入する人が多いという。幼い頃に日常的に食べていた野菜が復活したことを知り、買いに来る高齢者も多くリピーターになっているという。
このほか、小学生に伝統野菜に興味を持ってもらおうと、地元の小学校の給食に地元産の野菜を使い、「駅長」がその野菜を見せて、説明するという取り組みも行っている。