博士論文に関連する流用画像は、酸の刺激によって作ったSTAP細胞が、体のさまざまな細胞に分化する万能性を示すとした最も重要な画像。小保方氏は「取り違えた」と説明したが、調査委員会は「酸処理という極めて汎用(はんよう)性の高い方法を開発したという主張が論文の中核的なメッセージで、この実験状況の違いを認識していなかったとは考えがたい」と意図的な不正と断じた。その上で小保方氏が早稲田大に提出した博士論文に関連する別の実験の画像を流用したと判断。「データの信頼性を根本から壊すものであり、捏造に当たる」と認定した。
これに対し、小保方氏は代理人弁護士を通じて出したコメントで真っ向から反論。「単純なミス」と改めて釈明し、「画像取り違えについては、外部から指摘のない段階で自分でミスを発見した」と不正の目的も悪意もなかったと強調した。
また、DNA解析画像の切り張りについて小保方氏は「禁止されていることを知らなかった」と説明した上で、元の画像をそのまま掲載した場合と結果は何ら変わらないと主張した。しかし、調査委は「きれいに見せたいという目的性をもって行われた加工」と指摘し不正な改竄と判断した。