理化学研究所は3月11日、画像や表現に不自然な点が相次いで指摘された新たな万能細胞「STAP細胞」の論文に関し、撤回を含めて検討していると発表した。理研として著者らに取り下げを勧告することもあり得るとしている。
菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は11日の記者会見で、文部科学省が理研に対して調査を実施し事実を明らかにするよう求めたことを明らかにした。下村博文(しもむら・はくぶん)文科相(59)は「客観的な調査をして、再度論文を出すよう期待をしたい」と話した。理研は14日午後に調査の状況を公表する。
理研によると、撤回には著者全員の同意が必要で、STAP論文は計14人の共著。共著者のチャールズ・バカンティ米ハーバード大教授は、米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版に「私が持っている情報に基づけば、論文が撤回されなければならない理由は見あたらない」と語った。バカンティ氏は、理研の小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)の元指導教官で、小保方氏と10日に話したという。ハーバード大医学部の広報責任者は「疑念は精査する」とのコメントを発表し、事実関係を調査している。