知的財産権では課題も
また、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」をテーマにした中国初の展示会も昨年(2013年)11月に開かれ、開幕当日はファンの長蛇の列ができて入場規制する騒ぎになった。会場には主人公が操るエヴァンゲリオンの頭部や登場人物の大型フィギュア、名シーンの再現スペースも設けられた。中国のファンは会場で写真を撮ったり、関連商品を買ったりして盛り上がっていた。
アニメ関係者は、「アニメを通じて日本など国際社会の価値観や優しい人間の感情などが中国の若者に波及することは、日本語の普及も含め、いわば日本外交の“ソフトパワー”としても望ましい」と話している。
中国版ツイッター「微信」では、「アニメ文化は日本のものだけではなく中国や世界のものだ」「日本は嫌いだがアニメは日本が世界一だ」との発言が広がる。しかし一方で、「日本人はアニメを利用して中国人を洗脳しようとしている。文化侵略だ」との負の反応もある。日本のアニメ関係者からみれば中国は、ネットで海賊版のアニメ番組が無料視聴できるなど、人気の高さの裏に知的財産権をめぐる課題もなお残されている。(上海 河崎真澄/SANKEI EXPRESS (動画))